新入生自己紹介 太田洋舟 (M1)

2019年12月20日

 こんにちは。201910月にIDECに入学しました、太田洋舟です。簡単ではありますが、自己紹介をさせていただきます。ちなみに名前は「ようしゅう」と読みます、兄の名は海舟(かいしゅう)です。

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IDEC入学前
私は三重大学教育学保健体育コースを卒業してすぐ、JICA海外協力隊に参加し、モルディブ共和国という国で、2年間小学校教員として活動してきました。首都マレから舟で2時間、人口600人、生徒110人のインド洋に浮かぶ小さな島で、主に体育授業の確立・現地教員への技術移転をすることが主な要請内容でした。まさに私の名前を体現しているような土地でどこか運命を感じずにはいられませんでした。JICA海外協力隊に行こうと思った理由は、もともと国際協力に興味があったこと、日本で教員のする前に海外で教員をして自分の視野を広げたいという思いを抱えていたからです。
さて、モルディブと言えばリゾートやハネムーンを想像する方が多いと思いますが、地元住民が住むローカル島は、法律や暮らしも大きく異なります。また、厳格なムスリム国家であり、イスラム教が住民の暮らし、そして教育に密接に結びついており、本当に特別な経験ができました。また活動中に体育や算数を教えていく中で、日本で教員をしていたらおそらく感じない様々な困難を実感しました。例えば体育の授業中、小学校4年生以上は男女別(異性との身体接触を避けるため)、それでもヒジャブ(ムスリム女性が髪を覆う布)がずれる・取れる可能性があるハンドボールなどの身体接触のあるスポーツは避けられる傾向がありました。男子生徒の視線を気にする生徒が日本よりも多かったように思います。
ここでは書ききれない本当に多くのことを感じ、学び、苦悩した2年間を振り返り、またさらに幅広いことを開発途上国の教育について学ぶために、私は帰国後すぐにIDECの教育開発コースに入学しました。

入学後
すでに、教育に関する統計学、JICAや世銀の援助、グローバル公民権などの多くの授業を受けており、改めて新しいことを学ぶ喜びを感じています。されにそれを英語で学べることもIDECの良さだと思います。
さて、私の修士論文は一言で述べると、モルディブ共和国のイスラムと体育教育の関係性についてです。私はモルディブでの活動中、体育授業中に立ち現れるごく自然なムスリムらしさが、カリキュラムに沿った体育授業を行っていくうえで、困難にしている現実に苦悩してきました。例えば、小規模な学校(各学年10~15名)が多いため、女子生徒が参加しづらいこと(体育だけ複合学級にして男女別授業にするほど体育の優先順位は高くない)。先述した、女子生徒の服装、激しいスポーツへの配慮、水泳授業などが挙げられます。それらの困難にしている要因と解決策を、首都の大規模な学校と地方島の違いにも着目しつつ、明らかにしたいと考えています。つまり、私のモルディブでの2年間の活動はまだまだ終わっておらず、この研究を進めるためにやっとスタート地点に立ったと思っています。
修士号取得後どうするのか、まだ具体的には決めていません。ただ地元で教員をすることを望んでいた母には申し訳ないですが、今は生涯を通じて国際協力に携わっていきたいと思っています。この2年を数年後振り返ったときに誇れるように、日下部先生の研究室で頑張っていきたいと思います。